唾液成分の停滞、貯留によって生じる唾液由来の粘液成分を含有する嚢胞状病変

臨床事項

• 誤咬しやすい下口唇に好発
• 発生部位による分類
  1)ガマ腫：舌下腺、顎下腺の排泄障害により口底部に発生
  2)Blandin-Nuhn嚢胞：舌尖部下面の前舌腺に発生
• 組織学的分類
  1)溢出型（偽嚢胞）：導管などが損傷し周囲組織に流出した唾液成分を肉芽組織により被包
  2)停滞型（真性嚢胞）：唾液成分が導管内に貯留し、導管が拡張して生じる嚢胞

病理組織所見

• 溢出型
  1. 唾液腺組織周囲に溢出した粘液成分の貯留
  2. 粘液物質、それを貪食する泡沫状細胞（粘液貪食細胞）、炎症性細胞浸潤、毛細血管、線維芽細胞増生などからなる肉芽組織
• 貯留型
  1. 著明に拡張した導管内に粘液成分の貯留やマクロファージが存在
  2. 拡張した導管は、立方、円柱上皮などからなる数層の上皮により裏装

 

：線維腫、類皮（類表皮嚢胞）

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