上皮性細胞の増殖に加え、粘液腫様組織や軟骨成分などが混在し、同一腫瘍内でも多種多様な像を呈する腫瘍


臨床事項

• 最も頻度の高い唾液腺腫瘍
• 30〜40歳に好発　しかし、幅広い年齢層で発生　やや女性に多い
• 無痛性に緩慢に成長する境界明瞭な腫瘤
• 一般に予後は良好　ときに再発や悪性化

病理組織所見

• 上皮様と間質様構造からなる
• 腺管状、充実性、篩状や索状構造を呈して増殖を示す上皮様構造の領域
• 腺腔を形成する腺上皮細胞と、その周りを取り囲む筋上皮細胞の2相性構造
• 腺上皮細胞の腺房様の分化、オンコサイトや扁平上皮への化生
• 腫瘍性筋上皮細胞は多角形、紡錘形、形質細胞様や明細胞を呈する
• 腫瘍性筋上皮細胞自らの基質を産生し、上皮成分の領域から解離し、粘液腫様、 硝子様や軟骨様などの間質様構造の領域に移行
• 通常、線維性被膜に包まれているが、不完全な部分があったり、小唾液腺由来症例では完全な被膜形成を欠くことがある

 

：筋上皮腫　多形性腺腫由来癌　多型低悪性度腺癌

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