教室史



歯科放射線学講座は、本学開学の初期・大正139月に、初代主任教授 故照内昇教授の着任により開設された。その後、元日本大学総長 故鈴木 勝教授、さらに故安藤正一教授、元歯学部長の西連寺永康教授、篠田宏司教授、本田和也教授、新井嘉則特任教授、橋本光二教授と7名が教授となり、現在は、本田和也教授が当教室を運営している。開設以来90余年の当教室は、その間 パントモグラムX線撮影装置の研究開発、顎関節規格撮影法、歯科用XTV映像 システムの開発、デジタルパノラマ装置の開発、そして最近は世界初の歯科用CTとして Ortho-CTの開発・商品化など多くの研究成果をあげている。

 診療面においても常に新しい技術・装置を導入し、的確な診断をおこなうため、1965年東洋で最初の多軌道断層 撮影装置ポリトームを導入、その後CT断層装置、X線テレビ装置および 超音波診断装置、2002年に歯科用CTなどを導入して、頭頸部の診断に多くの成果をあげてきた。

 学会活動としては、日本歯科放射線学会の設立当初から中心的存在として参加し、1980年には西連寺教授が学会会長として総会を日本大学会館で開催し、19927月には九段会館において第三回日本顎関節学会総会を主催した。また2001年には篠田教授が、第42回総会を開催している。

研究テーマとしては、デジタルパノラマ撮影装置の研究開発、顎関節造影等による顎関節症の研究、 超音波断層装置の応用、XCTを中心としての画像診断またはデンタルインプラントなど 多岐にわたって行われてきた。これらの多彩な研究成果は、国内では日本歯科放射線学会、日大歯学会、 日本顎関節学会、日本歯科基礎医学会、日本口腔インプラント学会など、国外では国際顎顔面放射線学会、 FDI総会、IADR、ヨーロッパ顎顔面放射線学会、オーストラリア顎顔面放射線学会、 アメリカ顎顔面放射線学会、歯科デジタル画像学会、アジア顎顔面放射線学会などで発表され、 高い評価をうけてきた。

教育面においては、第3学年前期に放射線物理学、写真学、生物学、放射線防護および X線撮影法などの基礎的講義、第4学年前期には画像診断学の講義等、また後期には、学生相互の口内法およびパノラマ撮影および口内法、 口外法X線写真のトレースと読影の実習を行い、5学年次は臨床歯科学演習と歯科病院での臨床実習が行われている。臨床実習では一般歯科臨床で基本となる口内法とパノラマの撮影を実際に行い、 さらに撮影したフィルムも含めてPA像、Waters像などの単純像からCT像等の読影実習、 X線TVシステムを用いた唾液線、嚥下機能の造影撮影の実際を見学させている。 この他にテュートリアル教育として、第5学年次ではX線の発生や撮影法などについて 各人が与えられたテーマについて実習期間内に調べて発表を行う。 また第6学年次では国家試験合格にむけた講義・演習をおこなっている。


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