第22回講演2抄録



今日からあなたも審美歯科

 歯科治療には虫歯,歯周病,歯並び,噛み合わせなど,多くの対象があります。最近では外観の変化,すなわち「より美しい口元」を目指して行なう処置への要求が高まり,審美歯科,美容歯科とよばれる分野が発展しています。審美,美容の処置内容は受診者の希望,要求が大きなウエイトを占め,歯科医院はその要望実現のため最大限の努力をして,最新鋭の技術を駆使することになります。
 審美歯科においては歯科医師のみならず,歯科技工士,歯科衛生士が専門分野の知識を生かして業務に関与しています。また,口元を含む顔面の処置においては口腔外科,矯正歯科,形成外科,美容外科等との連携が必要となることもあります。さらに処置後の容貌をコーディネートするメイクアップアーティスト,美容師も審美を追求する役割を担っています。
 そこで今回の講座では審美,美容を目的とした歯科処置について,どのようなケースであればどのような治療が可能であるかという実例をご紹介する予定です。歯の表面に付着した色素(着色)は特殊な清掃器具で除去することができます(クリーニング,PMTC)。歯の色調をより明るくすることも可能です(オペークコンポジットコーティングほか)。歯の外形あるいは歯の隙間の修正では,接着材でセラミックスを直接歯に貼付けます(ポーセレンラミネートベニア)。少数の歯が欠損した部位では金属がほとんど見えないブリッジを装着することができます(カラーレスクラウン・ブリッジ)。
 以上の方法は適応の選択が重要ですが,当病院が自信をもってお勧めできる審美歯科治療の一部です。