当講座は、日本大学歯学部の前身である東洋歯科医学専門学校が設立された大正9年（1920年）4月当初から存在した歯科材料学の講座がはじまりです。大正10年（1921年）には日本大学に移管され、日本大学専門部歯科が設置されました。昭和27年（1952年）4月に発足した日本大学歯学部歯学科（新制）を経て、昭和31年（1956年）に私立歯科大学としてわが国最初の大学院（日本大学大学院歯学研究科）設置が認可されました。昭和35年（1960年）には当講座の大学院修了の歯学博士第１号が誕生しました。これまで多くの研究者によって、歯科材料に関する多くの研究が行われています。
歯科医療では、診査・診断から治療の終了までさまざまな歯科材料（生体材料を含む）や器械・器具が必要です。したがって、良質な歯科医療を実現するためには、材料・器械の特性の解明とその使用法の確立が必要で、さらに、新しい材料・器械と技術の開発が望まれています。それらのニーズにこたえる学問が歯科理工学です。
歯科理工学の学習は、新カリキュラムにおいて第２学年前後期に歯科理工学１、２として講義と実習が行われています。また旧カリキュラムにおいては、第３学年前期に歯科理工学Ⅱとして、講義と実習が行われています。
これまでに学んだ物理学、化学および生物学の知識を基に、歯科臨床で使用される材料・器械の特性とその使用法を修得し、臨床での材料・器械の選択と使用における礎とすることが要求されています。
歯科理工学講座では、歯科材料や器械の特性や使用法、そのメカニズムを研究し、歯科臨床に役立つ新しい技術や知識の学術的根拠の向上や開発に努めています。
研究の主なテーマをあげると、生体用チタン合金・超弾性合金の特性と歯科応用、歯科用金属や歯科用陶材および高分子材料の接合と複合化、接着メカニズムの解析、歯科材料の接着に関わる新規機能性モノマーの開発と評価、歯科鋳造とレーザー溶接、印象材の消毒・滅菌による寸法精度への影響、歯科材料の力学的性質評価法、CAD-CAM用材料の劣化や歯科材料の磨耗などについてなどで、いずれも歯科臨床と深く結びついています。
これらの研究成果は、日本歯科理工学会だけでなく、国際歯科材料学会議や補綴、保存、矯正、インプラント、技工、小児など、国内や国外の関連する学会で発表しています。
歯科理工学は、歯科医療で使われるさまざまな材料や器械について、その特性や使用法を科学的に研究する学問です。当講座は、日本大学歯学部の創設から100年以上の歴史を持ち、歯科材料の開発や評価に貢献してきました。当講座の大学院では、歯科材料や器械の基礎知識を深め、歯科臨床での応用力を養うことを目指しています。各自の興味や目標に合わせて、研究テーマやスケジュールを相談しながら柔軟に決めることができる体制を整えています。
歯科理工学と歯科臨床は密接に関係しています。当講座は、歯科臨床系講座とも共同研究を行っており、臨床系講座の大学院生も当講座で研究をしています。当講座は、歯科診療経験の重要性を認識しており、研究と歯科診療の両立もできるように対応しています。
歯科医師として、最新の情報を正しく理解し、診療に活かすことが求められます。当講座では、情報を分析・評価するための知識や方法を学び、幅広い研究内容から自分の興味に合った研究テーマをフォローできるようなサポート体制を整えています。
当講座では大学院生を募集しています。
興味のある方は、いつでも気軽にご相談ください。
他大学出身等でご相談したい方は、🔗歯科理工学講座フォームをご利用ください。
ご質問いただいた方へは、こちらからメールにてご連絡いたします。
また大学院出願等の詳しい情報は、🔗日本大学歯学部ホームページ（大学院）をご参照ください。
黒谷 知子 (Tomoko KUROTANI)
〒101-8310 東京都千代田区神田駿河台1-8-13 日本大学歯学部 本館 5階 歯科理工学講座
電話番号等がご不明な場合は「🔗日本大学歯学部へのお問い合わせ」を通してご連絡ください。
