第12回講演1抄録



お口から頭の中を覗いてみると
 〜なぜ,上手に食べられるの?〜

 脳とは何か,何の働きをしているのか。近年その解明が進んでいます。脳とは「身体活動の中心」であるという漠然とした答えから,もう少し詳しく脳の各部位が何を行っているのかを語ることができるようになってきました。
 この,公開講座で私は,「咀嚼する」という言葉から,現在の脳における役割をできるだけ簡単に解説したいと思います。
 「咀嚼する」とは,"食物をかみくだき,そして味わうこと"です。食物を適切な大きさにかみくだき,唾液と混ぜ合わせ,味わって,そして飲み込むまで,なぜ上手にこれらのことを日常的に行い,食物を取り込むことができるのでしょうか。
 この上手にできる咀嚼は,我々のさまざまな脳のいろいろな部位が分担して働くことによって実行されていることが次第に明らかになってきています。
 では,脳がどのように働いて,他のことを考えていても我々は「リンゴ」や,「おせんべ」や,そして「御飯」などが,うまく食べられるのでしょうか?
 このような疑問に対し,私の大胆な仮説と共に脳の働きを解説します。


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