本文へジャンプ口腔診断科

 日本大学歯学部附属歯科病院では,初診の患者さんは皆さん(特定の診療科への紹介状をお持ちの患者さんを除く),まず最初に当科にお見え頂くシステムになっています.当院には,専門診療科と特殊診療科があり,それぞれ,高度な歯科治療を提供しています.当科では,当院を受診された患者さんがどのような問題点を有しているのかを,全身的観点と局所的(お口の中の)観点から診査し,それぞれの患者さんに求められている治療内容が何かを判断します.その上で,その問題が専門/特殊治療を必要とする場合には,該当する院内の専門/特殊診療科を紹介します.


 オーラルメディシン(口腔内科)
 当科では,口腔顔面領域の神経疾患,粘膜疾患を診断,治療します.
 神経疾患では,麻痺性疾患,痙攣性疾患,運動失調性疾患を専門に診ています.麻痺には,感覚の麻痺(しびれ)と運動の麻痺があります.感覚の麻痺としては,末梢神経に生じるものと中枢神経に問題があるものとがあり,末梢神経性の疾患としては三叉神経麻痺,舌咽神経麻痺などがあり,中枢神経に原因する場合は,脳硬塞や腫瘍に関連して症状が見られる場合もあります.運動の麻痺にも末梢性のものと中枢性のものがあり,末梢神経麻痺としては,顔面神経麻痺,三叉神経麻痺,舌下神経麻痺があります.これらの麻痺が生じると,咀嚼や会話に支障をきたすようになります.また,味覚や涙・唾液の分泌にも障害が見られるようになります.痙攣性疾患としては,代表的なものに片側顔面痙攣があります.顔の片方の表情筋が広く痙攣を起こすもので,痙攣が生じることによって食事や会話がうまくできなくなります.運動失調性疾患では,ジストニーが問題となります.顎の運動に引っ掛かりが見られるようになり,スムーズな運動ができなくなります.噛み合わせの筋肉に痛みを感じることもあります.

 口腔粘膜疾患では,代表的な疾患に,前癌病変(扁平苔癬,白板症等),ウイルス性感染症(単純ヘルペス,帯状疱疹等),アレルギー性病変,自己免疫性疾患,良性腫瘍(線維腫,乳頭腫等),悪性腫瘍などがあります.なかなか治らない口内炎や腫れがある時には,その原因を調べる必要があります.前癌病変とは,それ自体は癌ではありませんが,経過の中で癌化する恐れがある疾患です.定期的な観察が必要です.口腔領域に発症するウイルス性疾患の中で頻度の高い単純ヘルペス,帯状疱疹は,患者さん自身が以前から体の中に持っていたウイルスの活性が免疫の弱まった時に高まって発症するものです.アレルギー性疾患には,歯科用材料によるもの(金属アレルギー,レジンアレルギー)や薬剤によるものがありますので,それらの物質との関係を調べてみることも必要です.自己免疫性疾患には,難治性の口内炎を呈するものが多く存在します.これらの疾患を診断するためには,血液の検査や抗原抗体反応,組織検査等を組み合わせて行います.
  



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