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歯周疾患と全身状態との関係解明 - 神尾宜昌

1. メタボリックシンドロームと歯周病の関係解明

メタボリックシンドロームと歯周病が関連することが1時点からみた場合の疫学研究から明らかとなっています。さらに最近、歯周病がメタボリックシンドロームを悪化させるというコホート疫学研究も報告され、歯周病患者ではメタボリックシンドロームになりやすい、あるいは悪化しやすいと考えられます。そこで我々は、歯周病とメタボリックシンドロームの関係を実験的に明らかにすることを目標としています。

メタボリックシンドロームは、内臓脂肪型肥満が病態の基盤にあると考えられています。これは肥満患者におい て内臓脂肪組織に蓄積された脂肪細胞からアディポカインと呼ばれる生理活性物質が肥満に伴って分泌異常を起こすことや、過剰に遊離脂肪酸が放出されることによるもの考えられています。そこで我々は、歯周病において自然免疫反応により誘導される炎症性破壊を調節する分子メカニズムにアディポカインと遊離脂肪酸が与える影響を解明することで、メタボリックシンドロームと歯周病の関係を明らかにしようと検討を行っています。

メタボリックシンドロームと歯周病の関係解明

2. 全身疾患と歯周病の関係解明

口腔内には未同定の細菌を含め約700種、歯垢1mg中には1000万個ともいわれる常在細菌が生息しています。これらの常在菌がブラッシングや歯科における定期的なメインテナンスなどにより適切な管理下におかれ、また、宿主が健康で、両者のバランスがとれている場合は良好な共生関係にあります。しかし、不適切な口腔内の管理や宿主の免疫力低下などにより、そのバランスが崩れると、歯を支える歯周組織に炎症反応が誘導される結果、破壊され、歯周病となります。このバランスが崩れる要因として糖尿病をはじめとするさまざまな全身疾患が関与している可能性があります。また歯周病自体が全身疾患などの誘因となっているという報告もあります。そこで、歯周病と全身疾患の相互作用について検討を行っています。

全身疾患と歯周病の関係解明

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