我々は,島皮質における痛み研究に関して,生理学講座岩田幸一教授と共同研究を進めてきました。その結果,三叉神経の損傷は,その活動性を長期間増大することによって,末梢神経のみならず二次ニューロンならびに大脳皮質における神経回路を可塑的に変化させることによって難治性の神経障害性疼痛を惹き起こし,さらにその活動性の増大が神経回路の可塑的変化を誘発するという「負のスパイラル」を形成するという仮説を立てるに至りました。
そこで従来型の神経障害性疼痛を治療することから発想を切り替えて,神経障害性疼痛の発症を予防する戦略を採ることによって効果的に三叉神経損傷後に発症する異常疼痛の抑制を図る手法を開発する研究に取り組んでいます。 本研究は平成29-31年度AMED「慢性の痛み解明研究事業」である【三叉神経障害性疼痛に対する新たな予防及び治療システムの構築】として行っています。
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