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研究内容

我々の研究グループでは,口腔ならびに顎顔面の感覚機能が脳によってどのように処理されるかを明らかにし,最終的にはその機構を制御することで難治性,慢性疾患に対する新しい治療法の開発に貢献したいと考えています。特に意識しているのは,薬理学という領域に囚われることなく,形態学や生理学,分子生物学を含む神経科学という大きな枠組みの中で研究を進めることです。具体的内容は以下の通りです。

  1. 高次脳における味覚情報処理機構  口腔で生じる感覚は,食べ物を味わい,咀嚼し,飲み込む過程に不可欠なものです。それらを担う感覚の中でも,味覚は過去の体験に影響されやすい感覚です。それは,大脳皮質など高次脳が持っている情報(記憶)が現在体験している味の情報処理に深く影響することを意味します。我々は,特に島皮質と呼ばれている領域で,どのようなメカニズムで味覚情報が処理されているかを明らかにするために非侵襲的脳機能イメージング法(fMRI,PET,MEG)から,パッチクランプ法,光学計測,分子生物学的手法を利用して,階層縦断的にアプローチしています。

  2. 島皮質における痛覚情報処理機構  歯科臨床において疼痛のコントロールは,最も重要な課題の一つです。我々は,痛みの中でも難治性の慢性痛に特に注目し,神経可塑性による痛みの慢性化メカニズムを最終的に明らかにしたいと考えています。そのために,マルチ・パッチクランプ法や慢性動物におけるin vivoカルシウムイメージング法を確立し,研究に取り組んでいます。

以上の研究を進めるために,本大学院の生理学講座および日本大学理工学部,福島県立医科大学,東京女子医科大学,理化学研究所など外部研究機関と精力的に共同研究プロジェクトを行っています。また,若手研究者がさらに飛躍できるよう,北米の一流大学で武者修行する機会を積極的に提供しています。

日本大学歯学部 薬理学講座

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